
2011年08月18日
母の手
いつかしら僕よりも 母は小さくなった
知らぬまに白い手は とても小さくなった
母はすべてを 暦に刻んで
流して来たんだろう
悲しさや苦しさは きっとあったはずなのに
・・・・さだまさしさんの無縁坂・・・・
父と母は2年ほど前、同じ時期に、痴呆症になり施設にお世話になっています
母のほうが少し悪くて、昔の事は憶えているけど、最近の記憶が無い
「自分は今、何所に居るのか」「いつ結婚したのか」
「孫の名前は」などを繰り返し何度も聞きます
しかし、人の悪口、嫌ごとなどは一切、口にしない
子どもの頃から目の不自由だった母は沢山の人にお世話になってきた
母の口癖は「すんません」「お世話になります」「ありがとうございます」
人に感謝する気持ちを、心から持ち続けてきたんでしょう
おかげ様で両親は二人仲良く、施設の皆さんに可愛がられています
最近、母が体調不良になった
心臓の動きが悪くなって心拍数が30しかないのが原因ということで
ペースメーカーをつける手術をしていただいた
先生の手術の説明に
先生・・「お名前は?」
母・・「K・みさおです」
先生・・「それは旧姓でしょF・みさおさんですよね~」
母・・「ありゃ~いつ変わったんやろかね~」
先生・・「ペースメーカー入れて元気になりましょうね~」
母・・「私はもう60を過ぎたんやろか」
先生・・「はーいもう過ぎとりますね~もうすぐ88ですよ~」
母・・「ほーっそげんなるかい・・・そんなヘルスメーターやらいれんでもいいばい、もう死んで良いバイ」
手術後、母の心拍数は65~70になり、とても元気になりました
高額な医療費も、支払いはほとんど入院費だけ
日本の福祉はありがたいです
母は目の悪い分、音には敏感です
となりのベッドの患者さんへの、看護士さんの問いかけにも返事をします
看護士さん・・「腰は痛くないですか~」
母・・「ぜんぜん痛くないですよ~」
看護士さん・・「寒気は無いですか~」
母・・鼻に指入れながら「鼻毛?鼻毛はのびてませ~ん」

明日退院します 先生、看護士さんお世話になりました
患者の皆様ご迷惑お掛け致しました
Posted by ふじぶー at
19:01
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