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2010年10月08日

先生の想い出

学生時代は色んな先生に出会い教えられました。

中でも一番、強烈に怖かったのが中学校時代の体育のO先生
怠けたりいい加減な事をやるとぶん殴られてました

今では考えられない事でしょう。

しかし、同級生と昔話をしてO先生の悪口を言う奴がいない
拳は愛情の裏返し、それだけ熱心に愛されていたのでしょう

現役を引退して、70歳を超えても、
いまだに多くの教え子たちの事を心配してくれているO先生
教育者とは生涯を通しての仕事なんですね

先生の想い出
作家、中井俊已さんが書かれたお話を紹介します
(こちらは殴らない先生です^^)
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崖の上の野菊
                         by 中井俊已
 私が勤めていた学校ではありませんが、
 ある小学校に養護教諭のA先生がいました。

 彼女の保健室には、学校に来るとすぐにお腹の痛くなる子や
 頭の痛くなる子がよくやってきました。

 「授業がわからない」
 「おもしろくない」

 と、その子たちは言います。

 なかでも小学4年生のKくんは、
 A先生が最も気になる子でした。

 「おれ、バカだから・・・」
 「おれ、ダメだから・・・」

 それが彼の口ぐせでした。

 その度に、A先生は、

 「あなたは、バカじゃないよ。
  ダメじゃないよ。いい子だよ」

 と言ってあげるのですが、Kくんはうつむいているばかりです。

 Kくんの心にどうしても入り込めない、それがA先生の悩みでした。

 Kくんは、夜の勤めしているというお母さんと二人暮しでした。
 学校を転々とし、A先生の学校にも1カ月前に来たばかりでした。
 
 体は細く、着ているものは、毎日同じ。
 クラスの皆からは臭いと言われ、
 勉強では、掛け算九九やひらがなの文字まで時々間違えました。

 陰でいじめを受けているようでしたが、
 Kくんは、はっきりそうだとは言いません。

 ある日、Kくんが教室で爆発しました。
 
 クラスメートに母親の悪口を言われて、
 ついに押さえきれなった彼は、
 椅子を持ち上げ振り回して、何人かの子にケガを負わせたのです。

 ケガはたいしたものではありませんでしたが、
 その子らの親たちは騒ぎ立てました。

 教室で暴力をふる子やそんな子を育てた親も、
 絶対に許しておけない、というすさまじい剣幕でした

 結局、Kくんとお母さんは、
 その学校に居ることができなくなりました。

 別れの日、Kくんは教室には行かず、
 A先生の保健室にだけやってきました。

 手には新聞紙に包んだ野菊をもっていました。
 新聞紙からは土をつけた細い根っこがはみだしています。

 「学校に来る途中の崖の上に咲いとったんよ。
  きれいだなって思って、
  前から、先生にあげたかったん・・・」

 「わたしに? どうもありがとう」

 A先生がきょとんとしているのを、
 Kくんは勘違いしたのか、うつむいたまま言いました。

 「おれ、大人になって、お金もらえるようになったら、
  もっといい花、買ってあげる」

 「何いってるの、これが一番、いい花だよ」

 KくんがA先生の顔を見上げました。

 「先生も、この花、好き?」

 「うん、好きだよ。Kくんがくれる花は、みんな好きだよ」

 Kくんは、またうつむいてしまいました。

 床に、ぽとりと涙が落ちました。

 いじめられても、暴れても、
 人前で泣かなかったKくんが初めて見せた涙でした。

 「先生、おれ、ダメな子じゃない?」

 「ダメな子じゃないよ。いいところいっぱいあるよ」

 A先生は、しゃがみこんで
 Kくんの涙で濡れた頬を両手で包んであげました。
 
 Kくんの瞳は、眩しいくらい輝いていました。

 「先生、おれ、これから、ちゃんと勉強して、
  母ちゃんに心配かけないようにする。
  それで、先生みたいな、看護婦さんみたいな人になる」

 「看護婦さんみたいな人?(笑)うん、なれるよ。絶対なれる」

 Kくんの細い体を抱き寄せると、
 A先生の目からも涙があふれてとまりませんでした。

 それ以後、A先生はKくんに会っていません。

 でも、A先生は、Kくんのくれた野菊を押し花にして、
 ときどき取り出しては眺めます。

 そして、その度に、Kくんもお母さんもどうか元気でいますようにと
 そっと心で手をあわせるのです。
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先月、友人が長年勤めた保育園を退職しました
どれだけ多くの子どもたちを愛してきた事でしょうね

彼女もO先生の教え子

引退してもなお、子どもたちの幸せを願い、生涯、先生と呼ばれることでしょう


Posted by ふじぶー at 19:23│Comments(8)
この記事へのコメント
久し振りにいい話聞きました。
多分今は親子とも元気で頑張っている事でしょう

今日、添田ドームでテニスをナイターでしました
6時から8時までで、帰ろうとしてたら中学時代の先生が
今からと言って張り切っていました、もうそろそろ
70歳が近いのに・・・中学時代も凄かったけど(補導係で)

私の子供も某先生に可愛がってもらいました
いい先生の思い出ははいつまでも残ると思います。
ありがとう、そしてお疲れ様でした。
Posted by しげちゃん山羊しげちゃん山羊 at 2010年10月08日 22:32
いろんな事情のある子供がいて
それをうまく支えられる先生や友達は学校に一人でもいれば
それだけで毎日なんとか乗り越えられそうです。

今はみんな忙しすぎて自分のことしか見えてないような気がしますね・・・。学校だけじゃないですよね(--;
Posted by すとんすとん at 2010年10月09日 14:06
いい先生といえば・・・。
長男が小学校に入学した日の、最初の教室での出来事が、思い出されます。
詳しくは(アランカさんのブログ09年4月14日)に、書いてますが、おかげで息子は、それからもず~っと、学校が大好きで、楽しく大学まで進みました。
改めて、●●先生ありがとうございました。
                  ハズバンドでした。
Posted by アランカ at 2010年10月09日 14:39
☆しげさん☆
ゴルフにテニス・・しかもダンディ・・・くぅ~カッコイイ!

ありがとうございます
K先生にしげさんの言葉伝えておきます^^

☆すとんさん☆
先生や友人関係で学校が嫌いになって不登校になったり・・・
誰かが手を差し伸べれば必ず解決する問題じゃないかな~
どんどん置いていかれる時代なんでしょうか

☆アランカシェフさん☆
ブログ拝見しました
自信をもたせて育てる・A先生と同じ優しさに
入学した日から出会えて良かったですね
●●先生もまた、ご長男さんのことは忘れられない生徒でしょうね
Posted by ふじぶーふじぶー at 2010年10月09日 19:06
素晴らしいお話ありがとうございます。
先生の存在は大人になっても、教え子たちにとって
大きな存在。
一人でも多くの子供達がこういう先生にめぐり逢えたらいいですね!!!
Posted by テキサスバーガーテキサスバーガー at 2010年10月10日 09:49
☆テキサスバーガーさん☆
遠いダラスからいつもありがとうございます^^
可愛いお嬢さん!高校生活エンジョイしてますね~
色んな先生と出会って、将来、世界で活躍してほしいです^^
Posted by ふじぶーふじぶー at 2010年10月10日 18:11
良いお話ですね♪
涙しちゃいました(^人^)
Posted by SweetColor at 2010年10月15日 11:03
☆SweetColorさん☆
ありがとうございます
子どものころの純真な気持ち・・・忘れずにいたいものです
Posted by ふじぶーふじぶー at 2010年10月20日 08:29
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